「あの家に暮らす四人の女」三浦しをんー反対色ブラックとレモネード
#現在 #東京近辺 #母と娘 #娘の友人 #同僚 #4人の女の同居 #同居生活で生じるあれこれ #ハプニング #まあまあ長編
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9月20日の一冊
結婚していない女性たち(離婚も含む)共同生活がよみたい方
ただの共同生活じゃつまらない方(つまり、トラブルやハプニングも生じる)
人と人との関係性、距離感は作りこまれた話がよみたい方
家族以外の近しい人との関係の話がよみたい方
に贈りたいと思います。
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「あの家に暮らす四人の女」三浦しをん 中央公論新社 p341 文庫本
謎の老人の活躍としくじり。ストーカー男の闖入。いつしか重なりあう、生者と死者の声-古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。ざんねんな女たちの、現代版「細雪」。
東京杉並の古い洋館で、刺繡作家の牧田佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人で毒舌な谷山雪乃と雪乃の後輩でダメ男に甘い上野多美恵の4人が暮らす。同じ敷地内には、長年好き続ける謎の老人・山田一郎が暮らしている。
多美恵がらみのトラブル、佐知の恋の訪れ、洋館なる“開かずの間”を開けて中からでてきた、、、ものとは、、、。
あらすじを平べったく記すと上のようになる上、間違ってはいないのだけど、もう少しおどけた要素も多分に含んでいる作品。テレビ東京でドラマ化もされました。
いきなり、死者の声が話し始めた時は衝撃でした。コメディ色も後半につれ、加速していった感じがします。
トラブル、話題、笑いには事欠かない物語のはずなのに、設定から話を推測して、勝手にお上品なお話を想像していたため、あまりに世俗すぎて、勝手に期待外れ感を抱いてしまった。
個人的には、コメディなのか、人情話なのか、色の峻別がごたごたで、反対色を混ぜてできた黒色のような感じがしました。それくらい物語に振り回されたい人にはいいかもしれません。
ここまでお読みの方はお気づきかもしれませんが、管理人にはどうもマッチしなかった本でした。変な推測せずに読んでいれば、、、うーん。
ただ、ラストの雪乃と佐知の関係は、こんな友人が人生にいてくれば、心強いし、心安らぐだろうなと思いました。“親しい友人“とラベリングしたとしても、友人たちにはそれぞれの生活や家庭がある以上、この物語のようにはいかないもの。夢をみせてくれたラストは、レモネードのような、なんともいえない、すがすがしささえ感じました。