タリアから、あなたに贈る1冊

余りに、活字中毒過ぎて、読もうとした本が昔読んだことがあるということがしばしばあることから、備忘録をつけたいと思ったのがきっかけ。 ただ、ああ、この本にもう少し早く出会えていればと思ったことも多かったので、この時期のあなたにはおすすめしたい、過去の、未来の私に代わる誰かへの紹介も込めて。 そして、忙しく精神的につらかったときに、刺激の強い本を読めるタイミングがなく、その時の自分でも読める本が欲しかった。でも、そんな都合のいい情報にはなかなか出会えず。 そんな、少し前の私のような、いまにもあふれそうな水盆を

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「まことの華姫」 畠中恵ー腹話術だけど、華姫がまことを語る。

#時代小説 #江戸時代 #腹話術 #姫様人形 #芸人 #親分 #娘 #お悩み解決 #事件解決 #人の過去

 

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12月8日(火)の一冊

  •  無欲な主人公が好きだが、薄っぺらい人は嫌という方
  •  過去にとらわれそうになっているが、脱出していく話が好きな方
  •  周りに見守られながら、危なっかしさもあるけど、前を向く主人公が好きな方

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「まことの華姫」 畠中 恵 p304 角川文庫

 

 

まことの華姫 (角川文庫)

まことの華姫 (角川文庫)

  • 作者:畠中 恵
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫
 

  

*あらすじ

人形遣い月草と姫様人形お華の迷コンビが江戸の事件を快刀乱麻!

江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。
なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。
何故なら。“まことの華姫”は真実を語る――

姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。
六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。
二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。
そして明らかになる語り部・月草の意外な過去……
心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。
しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて……
快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド!
 
*感想
先に、華姫シリーズは、第二弾の「あしたの華姫」を読んでしまったので、月草の過去がわからず、第3弾でわかるのかなと思っていたのですが、第1弾で明らかにされていたのですね。
 
過去がない人間などいない。でも、触れられたくない過去がある人もあるから、むやみにきいたりしない。でも、困ったときは助けあう仲間が集まる場所、両国。
素敵な街だと思います。
 
そして、物語のキーになる月草が操る人形の華姫。確かに、華姫は、まことを語るけど、なんでもみとおせるわけではないというのが、ちょうどよい設定なのかなと思いました。
 
個人的には、「十人いた」がなんとももの悲しいけど、おもしろいなという印象でした。
 
このシリーズもそうですが、畠中さんの話は読みやすく、なじみやすい時代小説だなと思いました。