9月1日の一冊 「風と行く者―守り人外伝」 上橋菜穂子
#YA本 #児童書 #アジア系ファンタジー #アクション
「風と行く者―守り人外伝」 上橋菜穂子
もっとも、児童書だけではない作者のメッセージ性あふれる一作。
今まさに、誰かを弔った人の琴線に触れる一作。
その点、不安な方は、ハードカバーでは、作者のあとがきから読まれるとよいかも。
はじめてこのシリーズを読んだのは、小学校高学年だった。学校の学級文庫にあったのを夢中で読んだのを覚えている。中学受験のご褒美にもらったのもこのシリーズのハードカバー。楽しみで、楽しみで、包装紙を夢中で破り捨てたのを覚えている。
そのシリーズも第一刊の出版より年月が過ぎ、外伝が出版されていたことまでは追えていなかったので、図書館でみつけ借りてみた。
舞台は、中央アジアのような世界観。
時代設定は、日本でいう室町時代くらいの社会発達程度(世界史でいうところの、を形容できるよう学修する必要性を感じています。しばしお待ちを。)。
主人公は、30代の女性。
訳あって、故郷カンバル王国を追われることになり、6歳の時から、刺客から逃げ、養父であり、用心棒のジグロと旅を続けていたバルサ。ジグロ亡き今は女用心棒として生計をたてている。
バルサは、とても歯切れのいい、文中の言葉を借りれば、闘鶏のような女性。
バルサ、ジグロがかつて世話になった、旅一座の物語。
どこか、違う世界の話を読みたい。
読むなら、中央アジアの雰囲気がいい。
日常のほのぼのしたものよりアクションや、ミステリーがある方がいい。
昔を思い出す。なつかしい誰かを思い出す、今はいない誰かを重ねる人は、郷愁にかられる可能性があるので、心が波立つかも。
それでも、懐かしい日々を感じたい人にはおすすめ。
9月1日の一冊 誰かを見送ったあなたに月日という包装紙にくるんで送りたい一冊