タリアから、あなたに贈る1冊

余りに、活字中毒過ぎて、読もうとした本が昔読んだことがあるということがしばしばあることから、備忘録をつけたいと思ったのがきっかけ。 ただ、ああ、この本にもう少し早く出会えていればと思ったことも多かったので、この時期のあなたにはおすすめしたい、過去の、未来の私に代わる誰かへの紹介も込めて。 そして、忙しく精神的につらかったときに、刺激の強い本を読めるタイミングがなく、その時の自分でも読める本が欲しかった。でも、そんな都合のいい情報にはなかなか出会えず。 そんな、少し前の私のような、いまにもあふれそうな水盆を

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『あしたの華姫』畠中恵ー時代小説だから出せる温かさ、さわやかさ

#時代小説 #江戸時代 #腹話術 #姫様人形 #芸人 #親分 #友情 #お悩み解決

 

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11月30日の一冊

  •  無欲な主人公が好きという方
  •  女の子同士の巧妙な会話の掛け合いが好きという方
  •  なぞかけのようなトラブルを解決して、最後には前を向いていくような前向きになれる話が好きな方

                                                                 に贈りたいと思います。

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『あしたの華姫』 畠中恵 角川書店 単行本 p288

 

*あらすじ

姫様人形と人形遣い、お江戸で人気の名コンビが帰ってきた!

江戸は両国の見世物小屋で評判の、姫様人形・お華と、その遣い手の月草。月草が声色を変えてしゃべっているはずなのだが、「お華には特別な力がある」「真実を語る」ともっぱら噂だ。両国一帯を仕切る地回りの親分・山越も、娘のお夏を助けてくれるお華には一目置いている様子。ますます栄える盛り場だったが、山越が縁を切ったはずの息子たちが姿を現したせいで、にわかに跡取り問題が持ち上がる。江戸一の盛り場である両国を、次に取り仕切るのは誰なのか? 急に現れた息子たちを不審がる両国の人々は、両国の将来がかかっていると、娘・お夏の婿取りに注目し――。陰謀渦巻く両国で、月草はお夏を守りきれるのか? 一人二役、二人で一人、月草とお華の謎ときが始まる!

 

 

*感想

畠中恵さんといえば、有名なのは「しゃばげ」シリーズ、このシリーズも好きなのですが、最近発売された本が読みたいと思って図書館で借りました。しかし、これは2巻とはかいてはないものの、華姫シリーズの2冊目だったみたいです。

 

主人公月草と、月草の腹話術によって話しているようにみえる、かわいい女の子の声で話すという華姫の掛け合いも面白く、華姫と仲の良い、盛り場の親分、山越の一人娘お夏ちゃんとの会話もとても楽しいです。

 

最初がお夏とお夏の亡くなったお姉さんとの、会話ではじまります。つかみがさわやかで、時代小説特有のとっつきずらさもなく、読みやすかったです。

 

謎も、うーん、と悩むけど、最後にはなるほど!と解決されるのがちょうどよい感じです。

 

主人公の月草が、俺はお華と日銭を稼ぐから、という風に、お金に対して無頓着なのも好感が持てます。

 

故郷から離れた根無し草のような人々が集まる場所で、家族のように支え合い、暮らしていくのが、なんとも温かく、明るく前を向ける素敵な話でした。

 

月草の過去や、親分の跡継ぎ問題など気になる要素はまだまだあるので、続きが気になる一冊です。

 

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