「蛇行する川のほとり」恩田陸ー夏休みにレモネードを片手に、刺繍のクッションを背にして
#ミステリー小説 #青春小説 #発売当初の現代 #思春期の男女 #従妹 #姉妹 #家族 #複数視点 #綺麗で儚い #夏休み #レモネード
======================================
11月27日の一冊
綺麗ではかなく、危なげで、強い、これぞ恩田陸に登場する思春期の男女をよみたいという方
ある意味昔の少女漫画のような雰囲気も好きという方
登場人物の雰囲気のみだけではなく、ミステリー的な要素もほしいという方
に贈りたいと思います。
======================================
私は図書館で借りたので、下の酒井駒子さんの表紙のハードカバーでした
*あらすじ
演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の、川のほとりにある船着き場のある家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは…。そして、運命の歯車は回り始めた。あの遠い夏の日と同じように―。運命の岸辺に佇む少女たちの物語。
*回顧録(核心のネタバレはなし)
恩田陸の作品にはまり切っていた小学生の時に、一度読んだことがあります。
その時の気持ちにおそらく引きずられた感想なので、正確かは、わからないところがありますが、記していこうと思います。
まず、作品を読む前に思い出せたのは、夏休みに、女の子同士が、絵を描くために集まる話だったということ。
クーラーのきいた川のほとりの家で、レモネードを飲みながら、集まるという、夏休み特有の気だるげで、ゆっくりとした雰囲気の話だったということ。
その雰囲気、イベントに自分自身がすごく憧れたということ。
この3つくらいでした。
もっともいずれも間違った記憶ではないのですが、正確には、登場人物は、女の子4人以外にも、男の子2人。
そして、一番のポイントは、川のほとりの家を提供した、香澄の家族です。
たぶん、小学生だった私には、男女の繊細な心のやり取りや、男女の情愛のようなものは理解できず、自分がすごく憧れた、はかなく美しい情景だけを記憶にとどめたんだと思います。
特に、図書館で借りた時は、3分冊になっていたので、1冊目くらいまでを強烈な印象で記憶に残したのだと思います。⇩の画像のとおりのあっさりとした表紙の、一冊は薄い文庫本くらいの大きさの本だったと思います。
一桁の年で読むには大人すぎたのかもしれません。
県立図書館で借りていたので、子どもの本の貸し出しコーナーと大人の本の貸し出しコーナーはその時は分かれていて、大人の本のところまで借りにいかなければならず、とても背伸びした気持ちになったのを思い出します(しかも書庫から出してもらって借りました)。
すべてを理解できなくても、そのころから、本当に恩田陸は好きだったのだなぁと、とても懐かしい気持ちになりました。
内容もミステリー作品なので、トリック等も予想して読むと楽しいのかもしれませんが、この作品に流れるおそらくあり得ない(高校生をすぎた私にはわかる。)思春期の男女のやり取りが素敵な作品です。